私の家族

父母、姉二人に私を加えた5人家族。それが私の家族構成。

父はポルトガル系のブラジル人で、家系について詳しいことは聞いたことがない。ブラジルは移民で作り上げられた国なので想像はつくが、父方の祖父母の家にも行ったこともなければ、兄弟がいたのかも分からない。父が幼少期に相当苦労していたことを聞いたことはある。貧しい中で、小遣い稼ぎをして日々をしのぎ、プロサッカー選手を夢見てチームの選考を受けたことがあると、いつの日にか聞かされた。
父がなぜ、一人で生きていくことになったのか。家族について語ったことがないのかは分からない。いつの日か聞きたいと思うが、きっかけもなく今日まで来てしまった。

母方は日系の家系で、子供が10人程いる大家族の末っ子。確かに、典型的な末っ子らしい性格をしている気がする。昔から親戚付き合いが濃厚（ブラジル人は総じてそういう人が多い）で、毎週末と言ってもいい頻度で誰かしら親戚にあったり、家に訪問したりして過ごしていた気がする。
母も父と同様、真面目な性格で家のことや、仕事も実直に全力を投じる人だった。日本では力仕事もしていた時期もあるが、男性よりいい成績を出した、とか、表彰された、といったようなことを自慢げに報告されたこともある。

父も母も尊敬できる人柄で、誇らしい二人だ。

そして、姉が二人。

上の姉は私と年が10個ほど離れている。彼女は面倒見が良く、まじめな性格で、良く私の面倒を見てくれていたので姉というよりは第二の母という感覚に近かった。両親が不在の時には良く甘えていた記憶もある。彼女はブラジルで大学に進学した道半ばで日本に移住したことになる。

下の姉は私と６つ程離れていて、より友達に近い感覚がある。よく遊び相手をしてくれていた（当然、世話もよくしてくれた、と補足もしておく）。アグレッシブで自由奔放。絵を書いたりしてアーティスティックなことが好きな人で、今も自作の何かを作ってSNSにアップして小遣いを稼いだりしている。彼女は中学生のタイミングでの日本移住。

両親や姉二人の日本移住で苦労したエピソードはいくつか浮かぶが、彼女らの名誉のためにもみなさんの想像にお任せしたい。みな、言語も文化も分からない国に、人生の大事なタイミングで（そうじゃないタイミングがあるのかは分からないが）、移り住んだわけだ。
みな苦労して、みなそれぞれの幸せの形を移り住んだ国で思い思いに表現している。誇らしい人たちだ。

日系ブラジルの家系

母方の家系について言うと、先に言った通り、大家族だったことから、親戚が多かった。みな、それぞれ日系ブラジル人同士で結婚してることが多く、小さな日本人コミュニティができていたような感覚もあった。
母方の祖父母の家に行くと、従兄弟たちも集まって、賑やかな中で遊ぶことが多かった。振り返ると家の内装、食事や音楽などの文化の至る所に沖縄感が出ていた。
後からわかったことだが、祖父母はブラジルに生まれ育ったわけで、そんな中で沖縄がここまで残ると考えると、アイデンティティ、文化、って面白いものだなと思う。

彼らが人生の中で何を感じて、生きていたものか、聞いてみたかったなと思う。その願いは叶わないので、移住者のもとに生まれた私の息子と向き合う過程で推しはかろうと思う。